ツールやプラグインを作る時、完成した瞬間にほっとします。動いた。形になった。ここまで来たら、あとは紹介ページに置けばいい――と思いたくなるんですよね。
でも、作ったものを使ってもらえるかどうかは、機能の数だけでは決まりません。どんな作業で困っている人に、どの一歩が楽になるのかが見えると、初めて「使ってみたい」に変わります。
✦ 作ったものを届ける順番
困りごとを言葉にする → 最初の使い方を見せる → 次の声を受け取る
この記事でたどる疑問
「便利なツールなら、説明しなくても使われる?」
→「最初に伝えるべきことは何?」
→「機能一覧だけでは足りない?」
→「使った人の声を、次にどう生かす?」
便利なら、機能を並べるだけで伝わる?
機能の一覧は必要です。でも、初めて見る人は「それで私の何が楽になるの?」を先に知りたいはずです。たとえば商品リンクを作るツールなら、「リンクを作れます」だけでは少し遠い。記事を書いている途中で、楽天・Amazon・Yahoo!をそれぞれ開いて、同じ情報を貼り直している人がいる。その一場面から話すと、使う理由が見えます。
私は作る時、つい設定画面や細かい仕組みを説明したくなります。でもそれは作った側の順番でした。使う側は、まず自分の作業とつながるかを見ています。
最初の説明は、どこまで短くしていい?
最初は三つで十分です。「どんな人向けか」「何が一つ楽になるか」「最初に何をすればいいか」。ここが分かれば、詳しい設定はそのあとに読んでもらえます。
たとえば「WordPressで商品紹介を書いていて、リンクを整える時間を減らしたい人へ。プラグインを有効化して、投稿画面のボタンから商品を選びます」。これくらい具体的なら、合う人は自分で判断できます。
| 紹介ページに置くもの | 読者さんが知りたいこと | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 最初の一文 | 自分向けか | 「商品紹介の記事を書く人へ」 |
| できること | 何が変わるか | 「リンク作成の手順を減らせます」 |
| 最初の手順 | 難しくないか | 「有効化後、投稿画面で開きます」 |
できないことも、書いた方がいい?
私は書いた方がいいと思います。たとえば外部サービスへの登録が必要なこと、完全自動で商品情報を取るものではないこと、使う人が確認する場所があること。先に分かっていれば、期待とのずれが減ります。
以前、説明を短くしたいあまり、設定が必要な部分を後ろに回したことがありました。読み終わった人からすると、最後に急な条件が出てきた感じになったと思います。(良く見せたくて、かえって不親切になっていました。)
使った人の声は、すぐ機能追加に変える?
声をもらえるのは嬉しいです。でも、一つの要望だけで全部を変える必要はありません。私は「どの作業で止まったのか」「同じことを言う人がもう一人いるか」「今のツールの目的と合っているか」を順に見ます。
ここを飛ばして機能を増やすと、最初は簡単だったものが、いつの間にか説明しにくくなります。できることが多いより、最初の一回で使えることの方が大切な場合もあります。
ブログに書く意味は、紹介以外にもある?
あります。ツールを作った過程を書くと、その道具だけでなく、作り手が何を大事にしているかが伝わります。「この作業が面倒だった」「ここは自動にしすぎない方がいいと思った」。そんな考え方が残ると、次のものを出した時にも見てもらいやすくなります。
作ったものを届けることは、売り込むこととは少し違います。困りごとを言葉にして、必要な人が自分で選べるようにすること。私はその方が、長く信頼してもらえると思っています。
今日やるなら、一文だけ変える
いまある紹介文の最初の一文を読みます。「どんな機能か」から始まっていたら、「どんな作業が楽になるか」に書き換えてみてください。そこから、使う人の目線で説明が整っていきます。
紹介ページを作ったら、次にどこを見ればいい?
最初に読む人は、作った側が思っているほど説明を読んでくれません。だから私は、紹介ページを開いて最初の画面だけ見ます。ツール名だけが大きく出ていないか。どんな人に向くかが一文で分かるか。始めるボタンの前に、不安を減らす言葉があるか。この三つを確認します。
もし迷ったら、知り合いに説明する時の言葉へ戻ります。「これがあると、記事を書く途中のこの作業が少し楽になるよ」。その一文が出れば、紹介文の芯もぶれません。機能はあとから増やせます。でも、誰のためのものかは最初に決めておきたいです。
「無料だから」と伝えるだけでは、なぜ足りない?
無料なら使われる、と思ってしまうことがあります。でも使う人にとっては、入れる時間や設定を覚える時間も立派なコストです。だから「無料です」の次に、五分で試せるのか、何を準備するのか、合わないのはどんな人かまで見せると、選びやすくなります。
コトリンクも、商品紹介を書きたい人には役立ちます。でも、そもそも商品紹介を書かない人にまで勧めるものではありません。誰にでも合うように見せるより、その線を先に引く方が、残ってくれる人は安心します。
使い方の記事は、いつ作ればいい?
完成してからまとめて書こうとすると、細かい操作を忘れます。私は実際に試した時に一度止まった場所を、そのまま見出しにして残すのが好きです。「ボタンが見つからない」「表示を変えたい」「記事に入れたあとどうする?」。説明書らしい言葉より、使いながら出た疑問の方が読まれます。
そして、ツールの記事を一本書いたら次は使い方、次は使った記事例。この三つがつながるだけで、ツールページは売り場ではなく、試してみるための入口になります。急いで機能を増やす前に、まず一人が迷わず一周できる導線を作る。私はそこから始めたいです。
琴葉メモ
完成したものを見せる前に、困っていた作業を一つ思い出す。そこに言葉を足すと、ただの機能紹介が誰かの入口になります。
紹介文を見直すのは、いつ?
私は、完成した直後よりも、実際に一度使ってみたあとに見直す方が良いと思っています。説明の言葉と、使う時に迷った場所がずれていないかを確かめられるからです。質問をもらう前でも、初回の手順を自分でたどるだけで直したい一文が見つかります。
作ったものを届ける時も、答えを全部先回りして書く必要はありません。まず一人が迷わず試せること。次に出た疑問を、次の記事や使い方ページに足していくこと。その積み重ねの方が、機能を急いで増やすより長く使ってもらえる形になります。
