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無料ツールを作ったのに使われない理由|機能説明より先に伝えたい「誰のどの作業が楽になるか」

無料ツールが誰の作業を助けるかを整理する白石琴葉

無料ツールを作る時、つい機能をたくさん説明したくなります。

検索できる。保存できる。色を選べる。WordPressに入れられる。作っている側からすると、どれも大事なことです。

でも使う人が最初に知りたいのは、機能の数ではありません。「私のあの面倒な作業、これで本当に少し楽になるの?」ということだと思います。

コトリンクを作る時も、最初は商品リンクを作れることだけを伝えれば足りると思っていました。けれど実際には、商品を探すところ、ボタンを選ぶところ、記事に入れたあとに見た目を確認するところで、人によって止まる場所が違いました。

便利そうなのに使われないのは、機能が足りないから?

使われない理由を「もっと機能を増やさなきゃ」と考えると、開発はどんどん複雑になります。

でも、最初の5分で何をすればいいのか分からなければ、機能が増えても使い始めてもらえません。むしろ、選べることが多すぎると「あとで時間がある時に見よう」と閉じられてしまいます。

これはツールに限りません。ブログの記事も、講座の案内も同じです。読む人が自分の状況を重ねられる入口がないと、どれだけ中身があっても届きにくい。

最初に伝えるのは「できること」ではなく、作業の変化

ツールの説明を書く時は、機能名を先に置かず、使う前と使った後の作業を並べてみると伝わりやすくなります。

よくある説明 読む人が考えること 作業の変化として書くなら
商品リンクを作成できます 私にも必要かな? 商品名とリンクを何度も貼り直す手間を減らせます
デザインを選べます 何色が正解? 記事の雰囲気に合わせて、まず一つ選んで置けます
複数ショップに対応 設定が難しそう 紹介先を増やしたい時に、同じ情報を何度も入力しません

言い換えると、ツールの主役は機能ではなく、使う人の時間です。

「この作業、毎回ちょっと面倒だったな」と思っている人に、3分短くなる場面を見せられたら、それだけで試す理由になります。

「誰のためか」を狭くすると、使う人が減る?

たくさんの人に使ってほしいほど、「初心者から上級者まで」「どんなブログにも使えます」と書きたくなります。

私も最初はそうでした。対象を広く書けば広く届くと思っていたんです。でも、読む人は自分のことだと判断できません。

たとえば、こんなふうに具体的にします。

  • 楽天・Amazon・Yahoo!の商品を紹介する記事を書いている人
  • リンク作成のたびに、ボタンの見た目を整え直している人
  • WordPressの操作にまだ慣れきっていない人

ここまで書くと、当てはまる人は「私のためかも」と気づきます。当てはまらない人に無理に使ってもらう必要もありません。

(広く言った方が親切だと思っていたけれど、逆でした。)

説明ページには、できないことも書いておく

使い始めたあとに「思っていたのと違った」となると、どんなに無料でもがっかりします。

だから私は、できることだけでなく、まだ対応していないことや、手作業が残る部分も案内したいです。これは弱みを書くためではありません。使う人が自分で判断できるようにするためです。

たとえば「商品情報を自動で集めるけれど、公開前に表示は確認してください」と書く。「外部サービスへの登録はこのツールではしません」と書く。先に分かっていれば、使う人も安心して試せます。

感想や要望は、次の機能の前に「つまずき」を教えてくれる

「こんな機能がほしい」という声をもらうと、すぐ作りたくなります。嬉しいですし、期待に応えたいからです。

ただ、そのまま機能に変える前に一度聞きたいのは、「その人はどの画面で、何分くらい止まったのか」です。

たとえば「色を増やしてほしい」の裏には、好みの色がないのではなく、今の記事にどれを選べばいいか分からない不安があるかもしれません。その場合は色を十種類に増やすより、選び方の一言や見本を添えた方が役に立つこともあります。

要望は機能リストではなく、迷った場所の地図。私はそう受け取りたいです。

ツールを配ることは、作業を一緒に軽くすること

無料のツールは、派手なことをしなくてもいいと思っています。

夜に記事を書いていて、リンクを整える手が止まった時。「これがあれば、あと10分早く終わったのに」が一つ減る。それだけで十分価値があります。

機能を増やす前に、誰のどの作業を軽くしたいのかを一つ決める。説明ページにも、その場面を最初に書く。使う人が迷わず一歩目を踏み出せるツールに、少しずつ育てていきます。

使い始めるまでの一歩を、具体的に書く

説明ページを見た人が次に知りたいのは、「私の場合、どこを押せば始められる?」です。機能の一覧のあとに、最初の三手だけでも書いておくと、触ってみるハードルが下がります。

  1. まず、どんな記事で使うか一つ決める
  2. 商品を一つだけ選んで、リンクを作る
  3. プレビューでスマホ表示も一度見る

最初から完璧な商品比較記事を作る必要はありません。一つの商品で流れを体験できれば、次の時には自分で増やせます。

作った側の「当たり前」を、最初に疑う

ツールを何日も触っていると、作った側には操作の順番が見えています。どこを押せばいいかも、どの設定が大事かも分かる。だから説明を短くしすぎることがあります。

でも初めて使う人は、画面を開いた瞬間に「ここで合っている?」と迷います。私は自分で作った画面を、別の日の朝に、説明を読まずに触ってみるようにしています。昨日まで当たり前だった操作で、意外と手が止まります。

その時に見つかるのは、派手な新機能ではなく、ボタンの名前、最初の入力欄、プレビューを確認するタイミングです。使いやすさは、こういう小さな場所に出ます。

「無料だから試す」より、「自分の時間を戻す」

無料という言葉は入口になります。でも続けて使ってもらえる理由は、無料だったからではありません。作業の途中で迷う回数が減った、仕上がりを確認する余裕ができた、記事を書くことが少し嫌じゃなくなった。そんな実感です。

だからツールを紹介する時も、価格より先に、取り戻せる時間や気持ちの余白を伝えたい。そこが言葉になっていると、作った人と使う人の距離も近くなる気がします。